「カードのフチはどんなデザインにすればよいですか?」といったご質問をよくいただきます。

「フチはこうしなければダメ!」といった決まりはなく、もちろん作者の皆さんのお好きなデザインにしていただくのがベストです。
が、カードをより美しい仕上がりにするためのコツがありますので、今回はそれをお伝えしたいと思います。

結論から言うと、ズバリ、
「カードの端から2mm以上の幅の『白フチ』にすべし」
です。

以下で理由を解説していきます。

 

1.端の摩耗が目立たない

カードの端は、プレイを重ねる中で最も摩耗しやすい部分です。
プラスチックカードであればまだしも、紙のカードであればどうしても避けられません。
そして、カード用紙は白色なので、フチに印刷がある場合、そこが摩耗すると、下地の白色が出てきてしまいます。

これは極端な例ですが、特に濃い色の場合、摩耗が目立ちやすくなります

 

フチを白くしておけば、端が摩耗したとしても目立ちません。

また、どうしてもフチまで濃い絵柄を入れたい場合、可能であれば「フチが濃い絵柄は、片面だけにとどめる」ようにしていただくのが理想です。
カード製造時の抜き加工は、その特性上、片面のフチに圧力がかかって端が若干めくれ、下地の白色が出てしまいます。
フチが濃い絵柄が片面だけであれば、加工方向の工夫により濃い絵柄面のめくれを防げますが、両面ともフチが濃い絵柄だと、片方のめくれが目立つことを防げません。

 

2.デザインのズレが目立たない

カードの製造にあたっては、金属型で仕上りの形に抜く工程があります。
手作業で調整するため、最大で2mm程度のズレが発生する可能性があります(印刷業界全体の標準的な許容誤差。ただし、実際には0.5~1mm程度のズレに収まることがほとんどです)。
フチまでデザインが入っていると、特にそれが模様だったりした場合、ズレが目立ちやすくなってしまいます。

 

したがって、フチにはデザインが何も入っていないのが好ましいです。
また、フチの幅は2~3mm空けていただくと、万が一大きくズレた場合でも重要な絵柄が見切れてしまうことを防げます。

 

3.どのカードかがバレない

裏面が共通のデザインだったとしても、表面のフチのデザインがカードごとに異なる場合、
横から見ると、表面のフチの色が見え隠れしてしまい、めくらなくてもどのカードかがバレてしまいます。




このカードは、裏面は共通デザインですが、表面はカードごとに異なる色がフチまで入っており、横から見るとカードの種類が分かってしまいます

 

4.カードを束ねたときの横からの見栄えがキレイ

カードを束にしたとき、フチまで印刷が入っているものと、フチが白いものとでは、見栄えがこのように違います。

ここまでこだわる必要はないかもしれませんが、こんな観点からも、フチには印刷が入っていない方が仕上がりは美しくなります。

 

もちろん、デザインのこだわりの関係上、どうしても白フチにはできない場合もあるかと思いますが、可能であれば、上記を踏まえて白フチのデザインにチャレンジしてみてください!