「プレイ中に手元のカードが透けないようにしたいのですが、どんな仕様にすればよいでしょうか?」といったご相談をよくいただきます。

萬印堂で採用しているカード用紙は、厚み・コシ(適度な硬さ)・すべり・発色・価格を考慮して厳選したものでして、普通に使っている分には「透け」は気にならないはずですが、プレイヤーの後ろから照明や陽の光が当たっていると、手に持っているカードが他のプレイヤーに透けて見える可能性はあります。

通常は透けませんが……

強い光に直接かざすと……

 

本場のカジノなどで使われるような競技用トランプですと、絶対に透けない特殊用紙を使っているのですが、非常に高価なので、通常のカードゲームで採用するのは現実的ではありません。

そこでまず思いつくのが、「紙厚を厚くする」「PP/エンボスなどの表面加工をしてみる」ということですが、これらではほとんど効果がありません。

次に、「カードの裏面を、全面真っ黒(もしくはそれに近いデザイン)にする」ことが考えられます。
これは、透けないようにする、という点では高い効果を発揮するのですが、全面を同一色にするのは、「印刷時に若干のムラが発生するリスクがあること」「キズが目立ちやすくなること」から、違う理由で表面がバレてしまいますので、こちらも推奨できません。

キズが入ると目立ちます(実物)

 

萬印堂としてのオススメは、「濃いめの複雑な模様にする」ことです。
皆さんおなじみのトランプを想像していただきたいのですが、裏面の絵柄はこんな模様だったのではないでしょうか?

こうすると、キズは目立ちにくいですし、透けません。
(厳密に言うと、透けているのですが、裏面の絵柄が複雑なので表面がバレにくい)

同じ条件で透けさせて比較した場合(イメージ)

 

子供の頃からなにげなく目に触れていたトランプの絵柄、こんなことまで考えられてデザインされていたんですね。
ちなみに、トランプの「カードのフチが白い」ことにも秘密があるのですが、語り出すと長くなるのでこれはまた別のコラムにて。